[Inkscape] レーザー加工用のデータ作成(2)




[Inkscape] レーザー加工用のデータ作成(1)の続きになります。


Inkscape を使って、手描きのらくがきをillustratorなどで扱うことができるベクタデータにするところまでは完了しました。

それ自体の作成が終わっていれば、その絵をどう扱い、何をつくるのかに合わせて加工用データも様々なパターンとして流用可能です。


で、「何をつくるか」ですが、とりあえず前回のイラストを利用して、オーナメントをつくることにします。


レーザー加工は基本的に「カット」と「彫刻」という2とおりの概念を使い分けることができます。

今回は、イラスト部分は彫刻(エッチングのように彫る)して、その周りをカットすることにします。

その2つの工程を1度に行うことができるので、その指示がマシンに送られるよう、データを整えていきます。





・カットと彫刻のデータを同一ページ上に作成する


SVGで前回保存したパスデータを Inkscape で開きます。





この場合は絵の周りに少し余白ができるように、まずは適当に「鉛筆ツール」を使ってマウスを動かしながらぐるりと周囲を囲む線を引っ張っていきます。





こんな感じでひとまず十分です。

引っ張った線をダブルクリックすると曲線の節目である「ノード」が現れるのでパスデータであることがわかります。

この線を少し修正していくのですが、このままだとノードが多すぎて作業が大変なので、

パス>パスの簡略化 でこの点を減らしておきます。





ノードが減ったら「ノードツール」でその点を編集していきます。

いわゆるベジェ曲線ですね。

illustrator でいうアンカーポイントの編集と同じです。

節目の位置を示すノードをクリックするとそれを挟む2つの点が現れます。

中の点は曲線の節目の位置を、両側の点はカーブの曲がりを調整する役割を持っています。





なんとなく修正しつつ、頭の上に通し穴をつくっておきます。

穴は「円/弧ツール」で作成した指定の大きさの円を配しておきます。





こんな感じ。


ここでもうひとつ注意事項があります。

冒頭で述べた「イラスト部分は彫刻(エッチングのように彫る)して、その周りをカットする」という加工方法の指定はそのオブジェクト(図形)の属性で決定されるという点です。

まず、彫刻はいわゆる塗り(ベタ面)のみ、カットは極細線のみで成り立っている必要があるということと、それぞれ色によってレーザーの出力数値や加工順序など役割を変えることができるということになります。

当工房では、加工前の細かい調整はお手伝いさせていただきますので、基本、彫刻部分は「黒ベタ」(もし彫りの深さを部分的に変えていきたい場合は塗りの色を変えて表現しておく)、カット部分は「赤線」(これも、もし浅いスジだけ入れたい箇所があればその部分の色を変えて)でデータ作成してあれば大丈夫です。

その際、Inkscape では、塗りは「フィル」、線は「ストローク」と称され、それぞれをRGBで色指定する必要があります。

データの対象となるオブジェクトを選択した上で、右側の「フィル/ストローク」ウインドウで設定していきます。(上画像参照)

作例の場合、

彫刻部=黒の塗りのみなので、「フィル=単色(R:G:B=0:0:0)」「ストローク=×」と指定

カット部=赤の線のみなので、「フィル=×」「ストローク=単色(R:G:B=255:0:0)」と指定

またどちらもA(不透明度)は必ず255

とします。

実際のカット線の幅は極細線(0.001mm相当)にする必要があるのですが、Inkscape でその指定を行うと表示されなくなるので適当に、加工前にコントロールするPCにて修正します。





・メディア(加工する材料)のサイズにページサイズを合わせておく





最後に加工する材料のサイズにページサイズを合わせておくと、その加工位置や、材料を効率的に使うことなどをあらかじめ考慮することにもつながります。





・データを保存する


これで基本的な加工用データは完成です。

そのままデフォルトのSVGと、念のためPDFでも別名保存しておけば、それでOKです。





illustrator でもこのように開くことができます。





というわけで、シナベニヤとアクリル板の加工も問題なくできました。





・おまけ〜文字について


書体のデータについてもフォントデータのままでは加工ができません。

必ず、アウトライン化して「図形」にします。

まずは「テキストツール」でテキストを打ち込みます。





右側のウインドウで書体、ウエイト、サイズなどを選択して「Apply」ボタンをクリックします。





テキストを選択して、パス>オブジェクトをパスへ をクリックします。





これでパスデータが生成されます。





彫刻の場合はそのまま「フィルの色指定(黒)」「ストロークなし」、切り文字にする場合は「フィルなし」で「ストロークを色指定(赤)」にすれば、加工用データとして利用できます。





illustratorをお使いの方にとってはわかってる話ばかりでつまらない記事だったと思いますが、

そうでない方には、この程度のことができれば、レーザー加工機に限らない創作の可能性が広がると思います。

ぜひ一度トライしてみてください。


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